ぼりログ

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる
MENU

「雰囲気」が生み出す「美味しい!」について

http://www.gin-sui.com/wp-content/themes/twentytwelve/images/background04.jpg

過去記事の板前名言集の中で

「味で半分、器と盛り付け、あとウンチクで半分」

との言葉を昔教わったボリですが

 

boriesy.hatenablog.com

 この言葉をしみじみと感じた過去の出来事を振り返りたいと思います。

 

 時はさかのぼり大阪の個人の割烹料理店で修行していた4年前。

 

夜は1万円からと、割とお高めな価格設定のお店だったのですがお昼には日替わり定食を毎日950円で提供していました。

 

昼と夜でお客さんの層が違っていたのですが、

珍しく夜の常連さんがお昼に「近くに寄ったから」とランチを食べに来てくれたのです。

その日のランチはポン酢で食べるカレイの唐揚げ定食

そのお客様は「やっぱりこのお店はおいしい!」

といって召し上がってくださって、

「家庭ではこんな味が出せないからね!ポン酢ひとつとっても味が深いよ。」と。

こーゆー事はホントは書いちゃいけないのかもしれませんが、

ランチを950円の原価で抑えるには自家製のポン酢を作るにはあまりにもコストがかかりすぎます。

また夜の1品料理に比べて定食にはポン酢を使う量も多い。

他のお店でも昼用と夜用で使い分けをしているお店も多くあると思います。

僕のお店も夜は1週間以上鰹節や昆布などを漬け込んで出汁の効いたポン酢を使っていましたが

お昼はミツ○ンポン酢を使用していました。

 

もちろんそんな事をお客様に伝える訳にはいかないので「ありがとうございます」とだけ返答したのですが、なんだか騙してしまったような気持ちになりました。

 

その事を同じお店の先輩に相談したところこう答えられました。

 

お客さんが950円という金額に対して満足して帰ってくれたのであれば何も恥じる事はない。

お店の味、盛り付け、接客、店構え、器、雰囲気。その全てを含めて美味しいといってくれている。料理も950円の限られた金額でおいしいと思えるものをお店が提供して、

それがミツ◯ンのポン酢であっても自家製のポン酢のように感じてもらえるのであれば立派なお店の付加価値じゃないか。

 

という様な話だったと思います。

事実僕のお店のランチはかなり人気がありました。

お客さんもほとんどがリピーターで毎日のように来てくださる方ばかり。

これは950円を払うという事に満足してくださっている証拠だと思って間違いがないと思います。

そこに満足するだけの対価を感じていただけなければ当然売れないし、

ましてや悪質だと捉えられれば今の時代ネットの風評被害で口コミは広がり

すぐにお店は廃れていったでしょう。

 

僕のお店には舌の肥えたお客様にさえミツ◯ンのポン酢を自家製のポン酢と思わせる

実力と信用があったという事です。

 

ここで念を押しておきたいのですが僕のお店のランチは明らかに良心的だったと従業員であった僕が自信をもって言えます。

950円に見合う以上の食材、そして味でした。

 まとめ

この件を踏まえて学んだ事

  • 味覚は雰囲気に大きく左右されるという事
  • お客様は料理だけじゃなく、サービスという付加価値にもお金を支払っている事
  • お客様が満足してお金を支払って帰る事ができる店であれば1万円でも950円でも良心的と呼べる事

 僕は将来したいお店のイメージとして

  • 飲み放題のついていないお店(これをするとおいしい物を食べたい人というよりただ安く飲みたいという客層が来てしまう)
  • いつもよりちょっといい物を食べたいと思った時に使ってもらえるお店(記念日や親族が久しぶりにあつまった時など)
  • お客様が支払う金額に対して満足して気持ちよく帰っていただけるお店

を目標としています。

料理の食材の質や味、そしてお店全体の雰囲気やサービスが

お客様の満足と笑顔につながるようこれからも修行していこうと思います。