ぼりログ

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「寿司の10年修業不要論」について板前側からの言及

ぼりです!

 

ホリエモンこと堀江貴文さんの物議を醸したこの記事

weblog.horiemon.com

読んでみた結果として、本当に参考になる点が多かった。

 

これを実際の現場にいる「職人」側からの意見としてまとめます。

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飯炊き3年握り8年論の是非

この考え方に時間の重みと効率についての言及がかなりありました。

 

僕自身の答えは「無駄」です。

 

ただししっかり割り切れないのが事実かと。

 

話題の寿司アカデミーで3ヶ月で卒業して独立、開業をする人が成功しているというのは実際の大きな和食の世界の進歩。

 

なので堀江さんのおっしゃる修業よりもセンスが大事という言葉には大賛成です。

 

その上で僕が考えるのは、この手の考え方をできる人の時点で旧態依然とした「板前」の世界に入らないという選択をできる「センスのある人」であるということ。

 

板前を目指そうと思ってこの世界に飛び込んで料亭や個人店で最初から「◯◯年は修業に費やす」と考える人にはこの頭がないので、その時点で何年も修業して独立するという今までのシステムに頼った方が懸命でしょう。

 

おそらくそういう人は「時間をかけること」自体に美学を持っているのでアカデミーのような考え方を毛嫌いするはずです。

 

もちろんこのタイプの人間を完全に否定するという話ではなく、愚直に頑張ることのできる人間であることが多いので最終的にたどり着く「職人」としての技術や感性は確かなものとなり得る。

 

実際に「下積み」と呼ばれる時代に与えられる仕事というのは本当に料理に関係ないものが多い。ただし時間をかけないと成長できないような人にはその時間がないとまず「要領」を掴む事ができないので間違いなく経験するべき時間です。

 

僕自身、板前修業を始めるときにこの考えには全く至らず10年の修業を経た上で独立するという前提を持ってこの世界に踏み込んだ側の人間なのでよくわかるつもり。

 

ただ残念なことに実際に本当はセンスがあったのに、道を選ぶこともできずただただ下積み時代の皿洗いや掃除にバカバカしさを感じて道半ばで諦めていった人達がゴマンといます。

 

これから先、この事実は確実にこれから職人の世界に踏み込む若手に対しての最初の2択の道標となるので個人的には大賛成です。

 

自分に合った成長過程を選ぶということができるので「質の高い職人」はこれから増えていくでしょう。

 

このシステム自体に完全な否定をするのが昔ながらの板前であると考えます。

 

歴史を重んじるという言葉を自分勝手に解釈して「日本の歴史をバカにしている」というような発言で「変化」を嫌う昔ながらの板前は近い将来残念ながら淘汰されていくのでは。

現代の和食と昔からの和食

現代の最新の和食はかなりのスピードで変化しています。多くの食通の中の意見として「和食」という括りがなくなっていっているというのが事実。

 

これは「客」側からの視点だけでなく「板前」サイドからも同じ感覚です。

 

六本木の名店「龍吟」では堂々とyoutubeにて自店の調理方法をスタッフ用として公開していますが、まさに革新的。

www.youtube.com

現代の技術や研究を駆使した上でいままでの和食の技術もしっかり活かして「温故知新」を実現しています。

 

変化を受け入れられる「客」や「板前」はちゃんと新しいジャンルの「和食」の方向に進むし、これまでの形を壊したくない「客」や「板前」がいるのも確か。

 

ここから先大きく2つに和食の世界は分断されていくと予想します。

その時にどちらがいいかを判断するのはあくまで時代。それでいい。

 

さいごに

どっちつかずの答えになってしまいましたが、時間をかけないと一人前になれない人間と時間をかけずとも一人前になれる人間がいるのは間違いないので自分に合った道を選ぶという事さえできれば時間をかけて修業するのもいいのではないでしょうか?

 

決して時間がかかる人を否定はしていません。僕自身その立場なので。だからと言って新しいものを拒むのであればそれは年齢関係なく老害と呼べるでしょう。

 

自分の持つセンスをしっかり見極めて道を選ぶ事のできるようになった現代で大切なのは自分自身に向いている方向性をしっかり見極める力を持つ事です。

 

もし自分がどっちに向いているのか自信をもって言い切れない方は自分で考えているだけだと都合のいい答えを出しがちなので、総合的かつ客観的に判断してくれる「自己診断ツール」に頼ってみることをオススメします。

 時間をかけてこそ成長する人間が短期集中の道に踏み込めばせっかく持っている大器晩成型の才能を失う事になりかねません。 

 

少なくともこの事実は進化の遅い和食の世界において大きな一歩となったと思います。

 

以上、ぼりでした!