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【板前修業】独立して最初にぶつかった壁は「料理人としての視野が狭いこと」だった

こんにちは、昨年(2016年)の夏に修業していた都内の料亭を辞め、出張料理人として独立した「ぼり」です。

 

色々な問題にぶつかりながらも、現在は「1人前9,000円、4名様〜」という内容でおまかせの懐石を依頼して頂けるようになりました。

 

そして、料亭を辞めてからの1年を振り返ったときに、一番大変だった困難は「何も知らないこと」だったと改めて実感しました。

 

自店の料理以外知ってるつもりで知らなかった

独立する前、ぼくは「個人での活動をはじめてもなんとかなる」と思っていました。

板前修業としては、個人の割烹料理店で2年、料亭で4年の修業。

2ヶ月間くらいは居酒屋のバイトみたいなことをしていたこともあります。

 

10年修業と言われる世界だから(堀江さんの「10年修業不要論」などもありますが)、正直割と早めの独立を迎えたほうだとは思っています。

 

一番最初にぶつかった壁は、初期のお客さんからの「この料理、ローズマリー(洋食に使うハーブ)とかも合いそう!」って言われたときに、さっぱり理解できなかったことでした。

 

「できる」ことしか「できない」、「わかる」ことしか「わからない」

名前は知っていたローズマリー。でも古い和食のお店では使うことがない(少なくともぼくのお店では使っていなかった)ので、帰宅してから調べることに。

 

でも、正直さっぱり使っていい場面が思いつかないんです。そこでやっと気づくことになりました。

 

ぼくが一番勘違いしていたのは「やりゃあなんでもできる」と思っていたこと。

 

お店の仕事はむしろ要領よくこなせていたし、現場の中でもそれなりに通用していた自信はある。決して食べ歩きをしていなかった訳でもありません。

じゃあ、なにがダメだったのか。

 

それは「お店以外の「仕事」を知らなかったこと」でした

 

自分の勤め先の仕事しかしていなかったのだから、今考えれば当然でしかないのだけど、当時は本当にわからなかった。

「自分ができないことが何なのか」がわからなかったんです

 

独立する前に絶対に考えるべきこと

それから先、ぼくは出張料理人として独立したけど、予約がない日は知人のお店で働かせてもらったり、呼ばれればカフェのキッチンなんかにも足を運んだ。

 

カウンターでお刺身を切る日もあれば、カフェのフライパンでパスタを振っている日もありました。

そんな日々を続けていると、和食でも洋食でも、ようやく「共通点」があることに気がついたりしたんです。

 

他業種の知識がないことは筋を通しているのではなく「怠慢」になる

もう現代では既に「国境」はなくなってきています。これはホリエモンこと堀江貴文さんも強く言っていることですが、「和食のことだけやっていればいい」なんていうのはただの怠慢になるくらいの時代なんです。

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

 

世界中からグルメな人が集まるような超人気店は、もはやジャンルなどほとんどない。フランス料理店なのかイタリア料理店なのかよりも、お客さんにとって大切なのは「おいしいかおいしくないか」「たのしいかたのしくないか」だ。

 「何お店が儲からないのかを僕が解決する」本文より引用

 今の時代は昔と違って海外の食材も簡単に手に入る。それにその食材をお客さんも口にしている。いわゆる「美食家」と呼ばれるようなお客さんのほうが実は偏った料理人よりも知っていることは珍しくない状態になった。

 

ホントに今すぐの独立じゃないとダメだったのか

ここで堀江さんの逆の言葉になるが、ぼくは幅広い料理や食材を、実際に提供しているお店で学ぶことはとにかく重要なことだと痛感した。

  • いろんなお店に食べに行く
  • 市場で新しい食材に触れる
  • ほかのお店の人と飲みに行く

こうした方法でもずっと学び続けることはできる。お店を出しても研究の日々は続く。でもやっぱり最初から手探りの「独学」では成長が遅すぎるのだ。

 

もし今、独立を考えていた自分に何か言えることがあるのであれば、他国の料理について、完璧とまではいかなくてもいいから、せめて「かじっておく」ことは強く言う。

 

それが半年でも3ヶ月でもかまわない。ただ、他国料理の現場はどんな仕事をしているのか。その知見の幅を広げることは大きな大きな経験となる。

 

既に「料理」というベースができているのであれば、最初から学ぶという状態ではない。仮に現場に立つ上で重要な仕事を回してもらえなかったとしても、料理の現場としての仕組みを理解している以上、知識や経験の吸収率は間違いなく高いのだから、絶対に損はない。

 

また、カウンター越しにお客さんに対して「イタリアンは〜」「フレンチは〜」と、現場に立ったこともないのに言う人よりは「実際に経験した人」の言葉のほうがずっとずっと重みがある。

 

ぼくは独立前、色々と嫌になっていたこともあって、「もういい加減独立したい!」「お店で働くのはもう嫌だ!」という気持ちがあったのは事実だ。

今もう一度あの環境に改めて戻ったとしても、きっとぼくは辞めると思う。

 

だから、その時の自分に「独立するな」とは言わないけど、その期間を少し遅らせるだけで得られるものは山ほどあると伝えたい。

 

料理人としての視野は独立前に最大限広げるべきだった

少なくとも実体験で学びながら、自分より詳しい人の作業を仕事として見られる環境というのは、独立してからは一切ない。

 

そして、独立前に学ぶことが全ての基盤になると思っている。毎日のお勤めは、地盤づくり。まさに修業だから。

 

ぼくが独立して最初にぶつかった壁は「料理人としての視野が狭いこと」だった。

 

以上、ぼりでした!