ぼりの板前時代

【料理人になりたい?】板前修業6年を経て確信した事実を伝える

大阪北新地にて2年、東京都港区料亭にて4年の板前修業の後に独立した出張料理人の”ぼり”です。

修業時代、毎年10人ほどの新入社員として新しい「見習い」が勤め先の料亭に入ってきていました。

経験上、その中でも1年後に「修行」を続けているのは2、3人。

多くても半分いるかいないかです。

当時は「せっかく始めたことなのに勿体ないな」と思う気持ちと「きっと他に自分に合った仕事が見つかるはず」みたいな気持ちの半々で見送っていました。

板前修業は確かに厳しいです。だからやめちゃう人が多いのも事実。

でも、日々の時間に追われる修業の中で何か見失っていることがあるのではないかと感じます。

「板前修業」という環境から一歩外に出た人間からの言葉として、これから料理人を目指す方、目指そうかどうか悩んでいる方に向けて書き起こします。

現場の人間からの素直な言葉です。

目的がはっきりしている人間は強い

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一言で言ってしまうと、ほんとコレに尽きるんです。

「平社員」という肩書きのない板前の世界は、必要最低限の人数で構成されている事がほとんどです。

つまり全員になんらかの「役割」が割り当てられるという事。

「下積み」「追い回し」と呼ばれる見習い期間を経て「焼き場」「板場」「煮方」など、どんどん責任が重いポジションへ昇格していくのが「板前修行」です。

板前10年修業とまでは言いませんが、ある程度昇進するのに時間がかかります。

目的意識がないと、なんのために修業しているのかわからなくて辛くなってきます。

人間が弱くなるときは、大変な思いをしている時ではなく、自分の行動と意思に矛盾があるときだから。

正直なところ「キツイ」のは間違いない

追い回しを抜けて、板さんになってもずっと体力的に大変である事には変わりはありません。

「人の遊んでいる時間に設けさせてもらうのが水商売」という言葉もあるくらい。

一般の方がお勤め中に仕込みを行い、帰宅する時間帯になったら「のれん」を出すというのが飲食業界の「普通」です。

単純な体力だけの面で見ても、お客さんが帰る前の時間までが仕事の時間だということはこれからも変わらないでしょう。

なので、これからも飲食の仕事が「キツイ」という事実は変わらないと思います。

料理という仕事をずっと続ける人の2パターン

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こうした生活に耐えきれず、やめていく人が大半の板前の世界です。

それでもやっぱり「続けられる人」は2種類に別れて存在します。

  • 目的を持っていて、「独立」や「店のトップ」を目指す人
  • 辞められなくなって惰性で続ける人

前者がほとんどであってほしいのがぼくの勝手な理想ですが、現実は真逆です。

「板前の世界は10年我慢しないと花は咲かない」と昔の人間が宗教的に叩き込んできたせいで、自分に合っているかもわからず引き返す事ができなくなって今に至る。

という先輩の職人が大勢いました。

口癖は「仕事ってのは憂鬱なもんだ」「俺だって我慢してきたんだから今の若い奴らも我慢しろ」なんてマイナスな発言が本当によく目立つ。

そんな人たちの全てを救いたいとも思いませんが、少なくとも幸せには見えないんです。

板前修業の先にある「理想の自分」に近づくための「修行」

板前修業の先には大きく分けて2つの将来があると思います。

  • 独立して自分の店を持つ
  • どこかのお店の雇われ料理長(もしくは店長)

あなたがなりたいのはどっちでしょうか?更にどのくらいの価格帯のお店が自分にとって居心地がいいですか?

もちろんこれだけが答えではない。将来に抱く自分のイメージは十人十色だと思います。

ちょっとぼくの例でお話させてください。

ぼくは元々佐川急便で働いていたんですけど、友人の間でBBQを主催することが多かったんです。そのときにみんなが楽しそうにしているのが嬉しくて、「料理を覚えて自分の店を作ったら楽しそう!」と思って板前の世界に飛び込みました。

最初の方は勢いでなんとかなるんですけど、途中からこの問題にぶつかってきました。

「ほんとに自分のやりたいのは割烹料理屋なのか」と。

ぼくは生粋の料理人になりたい訳ではなく、人が喜ぶ空間を料理を通して作ることができたら嬉しいんです。

つまり、ぼくが突き詰めたいのは「日本料理」じゃなくて「場づくり」だった。

そこから、自分と料理との距離感を見つめ直したとき、固定の店舗を持たない「出張料理人」というやり方が自分にあっていると思い、今に至りました。

目的に合わせ、生き方や働く環境を自分で選ぶ

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現代の多様化した社会においては様々な「仕事」の見つけ方があるので料理人になりたかったら「10年修業しなくちゃいけない」という固定概念はなくしてしまっていいと思っています。

ぼくが今実際に活動できているのが何よりの証拠です。

こうして「10年は我慢だ」って周りの9割の人間に言われたことを振り切り、自分の生きる道を自分で選んだ人間だからこそ言いたいことがあります。

10年の我慢なんて続くはずがない

我慢も踏まえた上で、自分の心が納得する状態で働けていないと、ただ辛いだけを我慢する修業では続かない。

自分のやりたいことに挑戦できている中で、我慢することもあるのは事実ですが、我慢が目的になっている人が大勢います。

努力も我慢も、その先にあるものを手にいれる為に乗り越えるものであって、努力や我慢をしている状態に満足していてもなんの意味もありません。

料理の世界の「しがらみ」に捉われるな

ぼくは料理人の世界の厄介事は全て料理関係なく、人間関係のしがらみから起こるものだと思っています。
なので、料理の世界に挑戦するのであれば、ぼくは絶対に転職エージェント(担当者が就職先との間に入ってくれるサービス)を介すことをオススメしています。
こちらが実際にFoods Laboさんという飲食専門の転職エージェントさんにお話を伺ってきた際のインタビュー記事です。
よかったらぜひ参考にしてください。

こうしてキャリアアドバイザーを挟んでお店の状況を聞く事や労働条件を調べる事が今まで本当にできなかったからこそ、これからチャレンジをする人にはせめて「修業先を選ぶ」権利を持ってほしい。

料理を好きな人が「修業」に挫折してその業界自体に失望してしまうのは本当にもったいないと思うから。

夢を持って専門職にチャレンジするのは本当に素敵な事だと思っています。

だからこそ一歩踏み出すのであれば自分の趣向に合った「働き方」を探す事からしっかりと考えてみてほしい。

これから料理人を志す方へ

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料理が好きで修行をはじめたい、続けたいという目的を持った方には、さきほど書いた通り、ぼくは転職エージェントを介しての職場探しを薦めています。

「このお店ではたらきたい!」という強い意志があるという方以外は、お店と自分の間にエージェントに立ってもらい、お互いの労働環境の希望をしっかりとすり合わせたほうがいいです。

職場に入ってから「なんか違った」と思うのは、自分にとってもお店側にとっても不都合なので。

「自分が将来なりたい姿」は自分にしかわかりません。

だからこそ、修業するお店を選ぶときにはしっかりと判断できる余裕が必要になる。

自分がしっかりと納得して全力で修行に挑めるような環境を手に入れる為には、「入り」を大切にしてください!

【都内/料理人】元板前が飲食専門の転職エージェントを利用するメリット全部聞いてきた

 

以上、ぼりでした!