ぼりの板前時代

お客様に伝えたい、店側から見る和食における最低限のマナー5つ

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こんにちは、板前の「ぼり」です。

ぼくは和食だけに限られますが個人小料理屋、個人割烹、居酒屋、料亭と結構幅の広いジャンルで修行してきてます。

和食といえば箸の持ち方からルールがあるような世界です。

ぼくは「気楽に食べるご飯」が1番おいしいと思うので、そこまでテーブルマナーにはこだわってはいない板前なのですが、そのなかでもお店もお客様も気持ち良く時間を過ごす為に、ぼくが感じる最低限の要点を書き起こします。

 予約時間場合がずれるには1本の連絡を

会席料理になるとお客様の予約に合わせて調理の準備を始めます。

お客様が来店される時間に対して逆算をして下準備が必要な料理等は15分前くらいから火を通し始めたりします。

それが予告なしに30分遅れたとします。

丁度いい食べごろを過ぎた料理は1度火から離され再度温め直してから提供することになります。

1度おいしさのピークを過ぎた料理は残念ながら改めて熱々にして食べてもおいしさが全然違います。これは本当にくやしい。

「都内の某鮎専門料理店の料理長にお伺いしたのですが、予約の時間に合わせて30分以上時間のかかるメインの焼き物を焼き始めるから予約の時点でお客様に時間通りに来店するように念押しする。」

それでもどうしても遅れた場合は焼きあがった料理は1番おいしいタイミングで召し上がって頂くそうです。

「お突き出しと共にメインの料理をお出しする事になっちゃったりするけどおいしいタイミングで提供したいからしょうがない。」

こうおっしゃっていました。

好き嫌いは必ず事前にお伝えする

これも会席料理の場合です。予約の打ち合わせの際に必ず聞かれるとは思うのですが、当日料理を召し上がる時になって、「実はこれが食べられません」というのが結構あります。

当然すぐに食べられるものに差し替えさせて頂くのですが会席料理は全体のバランスや食材の構成をしっかり考えているので完全に構成が変わってしまいます。

逆に事前にわかってさえいれば嫌いなものを抜いた上でそのお客様に合った構成を考えられるのでお互いハッピー。

そしてお出しした後に食べられないといって返された食材は回しが効くものではないのでこちら側で処理する事になります。

誰かのために作ったものを自分で処理するのってやっぱり寂しいので。

カウンターを汚さない、荷物を置かない

当然の事ではあるのですが以外とやっちゃう方いらっしゃいます。

カウンターというのはかなりこだわって作られている事が多いです。

白木の1枚板だったり、手触りにこだわってニス塗り等をしていなかったり。

鞄て普通に電車の中で下に置いたりする物ですよね?

それを自分がこだわり抜いたカウンターに来店1発目からドンと置かれたらやっぱりいい気分ではありません。土足であがるようなものなので。

それなら荷物や上着の置き場所を店員に聞いてしまうのが理想的です。

また食べこぼしをしてしまう事って割とある事だとは思うのですがそこはサッとおしぼりでも使ってなかった事にしてください。

それをいちいち店側からお世話をするように掃除するのはやっぱり失礼ですから。

けど、こぼれたままの薬味やネギなどを見るとハラハラします。

想像以上に白木などの材質は吸い込んでしまうので後々格好の悪いシミとして残ってしまいます。

器を重ねない

これは本当にこちらからは申し上げにくい要望です。

食べ終わった後の器を1度に何枚かお引きする時にお客様の方から気を使って頂いて1度で運べるように重ねてくださる事があるのですがお気持ちだけ頂戴したいところです。器によっては数十万円するものもあったりするので。

もちろん下げる際にスタッフ側が重ねて運ぶ事はあります。

しっかり強度や限界を経験により計算しています。

 周りの空気を感じる

ある一定以上の金額の発生するお店においてはお客様同士の距離感にまで気を使ったり、店の雰囲気も気にします。

極端に大声で盛り上がったり、下ネタを連発してみたり酔っ払って感情的になるなんて事になれば自体は最悪です。

全てのお客様が気持ち良く食事できるようにするにはお店側だけでなくお客様にも協力してもらわないと実現不可能です。

「他のお客様のご迷惑になりますので…」なんて言われた時にはどうか自分が周りに与えていた影響と空気感に気づいて頂きたい。

逆にそれができない、またはしたくないのであれば「敷居が高い」と言われるようなお店にはいかない事をオススメします。

仮に経済的に余裕を持って来店されても歓迎されないのでお互いの気分を悪くする事になるでしょう。

全ては他者への気遣いが少しあれば

以上5つが僕なりに感じる最低限のマナーです。

5つにして書いたのですが、全てに共通することは「相手の目線に立つ」ということです。

お店側の意識だけではいい「空間」は提供できないということ。お客様の力添えもあって「おいしい」を提供できる事をどうかご理解頂きたいと思います。

以上、ぼりでした!